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寒邪と肩こり

肩が凝っているという方の多くは実際に触ったりして聞いてみると、凝り、痛み、重苦しさなどの症状を強く感じるのはいわゆる「肩」の部分ではなく、頚部や肩から頚部への移行部よくいう「くびのつけ根」が多いようです。

また長年肩こりの症状に悩まされている方のお話をきくと
「ひどくなると頭が痛くなる」
という方が多いようです。

中国の後漢の時代に書かれたといわれている書物「傷寒雑病論」では人体が寒邪に侵されたときの病理に関して述べられており、この中に「頚部が強張って頭がいたい」という症状がでてきます。

寒邪なんていうと「邪」という字からなんだかオカルトなお話かと思われるかもしれませんが、病気の原因として邪気というものを仮定すると病気の原因やその後の進行状態を説明するのに役立つぐらいの理解でよろしいかと。

例えば「寒邪」であれば寒すぎたり、寒さはたいしたことないけれど抵抗力が弱いためにちょっとの寒さで病気になってしまったような場合、或いはもともと体を温める能力が弱くて病気がちな場合の説明として用います。

では「寒邪」に侵入されたときはどうやって治療するか。

傷寒雑病論には寒邪に侵入されたときの人体の反応、症状、治療法、用いる薬が非常に系統的に述べられております。

恐らく日本では一番有名な漢方薬であろう「葛根湯」もこの傷寒雑病論に記載されている薬です。

漢方薬は一般的にはいくつかの生薬を組み合わせたもので例えば葛根湯なら
葛根、麻黄、桂枝、生姜、甘草、芍薬、大棗からなる方剤です。

葛根:豆科の植物クズの根
麻黄:マオウ属植物の地下茎
桂枝:クスノキ科の常緑樹肉桂(シナモン)の若い枝
生姜:しょうが
甘草:豆科の多年草甘草の根
芍薬:ボタン科の多年草芍薬の根
大棗:クロウメモドキ科の落葉高木ナツメの果実

つまり植物の枝やら根っこやらからを煎じて飲むわけです。

話を戻します。

人体が寒邪に侵されるとどうなるか

まずどうなるか。傷寒雑病論では以下のように述べています。

「太陽病、脈浮、頭項強痛而悪寒」

太陽病では脈が浮いて、後頚部が強張り頭が痛くなる。そして悪寒がする



寒邪は風邪という自然界を自由自在に動き回る「風」に運ばれて人体を襲撃します。
この風邪と寒邪の連合軍を「風寒の邪」といいます。

風寒の邪が人体を襲撃したとき、人体の最初の防衛ラインを「太陽」と傷寒論では命名しています。

太陽という防衛ラインで風寒の邪と人体の抵抗力が戦っている状態を「太陽病」といい、この時の症状が前に述べた
「脈浮、頭項強痛而悪寒」であるわけです。

ちなみに中医学では人体の抵抗力を「正気」と呼んでいます。
正気と邪気が戦っている状態を「邪正相争」などとも呼んだりします。

さてさて

じゃあ頭項強痛の人は年がら年中寒邪に侵入されているのか?

この続きはまた。
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項強

「肩こり」という症名は日本特有のものですが、それに類似する症状は中医古典の中にもみられます。その辺をちらほらと探ってみたいと思います。

「項強」もそのひとつで

項=うなじ
強=硬直


項強とは頚部から背部への筋脈肌肉が硬直し、頚部の屈曲、回旋等の運動が阻害されることを指す。『中医症状鑑別診断学』

とあるように頚部から背部にかけての強張りを指し、肩こりやVDTなどと重なる部分のある症状といえます。

今日は古典の記載をちょっと探してみました。


【古典記載】
『素問・至真要大論』
「諸痙項強、皆属于湿」

『傷寒論』
「項背強几几」、「頭項強痛」

『医学心悟』
「項脊者、太陽経所過之地、太陽病、則項脊強也。」

『雑病源流犀燭・頚項病源流」
「頚項強痛、肝腎膀胱病也、三経感受風寒湿邪則項強。風熱勝、宜加味小柴胡湯、湿勝宜加味逍遥散。」

『鍼灸聚英・百症賦』
「項強多悪風、束骨相連于天柱」

『鍼灸大成・玉龍歌』
「頭項強痛難回顧、牙疼并作一般看、先向承漿明補瀉、後鍼風府則時安。」

『針灸大成・勝玉歌』
「頭項強急承漿保」

等々。
まだまだあるとおもうのですが、今日はとりあえずここまで。

他に『針灸大成・肘後歌」に
「項強反張目直視」
というのがありましたが、これは破傷風などによる角弓反張の症状で一般の項強とは区別が必要なようです。


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