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掻くなと言うな

アトピー性皮膚炎の経験者であれば「掻くな」と言われたことのない人はあまりいないと思います。
今日アトピーの患者さんから「白色皮膚描記症」という症状名を聞かされ、恥ずかしながら、初めて聞く症状名であったのでネットで検索していたら、以前中国に留学中に拝見したことのあるサイトにぶつかりました。

『MIOの世界』
http://members3.jcom.home.ne.jp/mioworld/index.html

多分重症のアトピー性皮膚炎の患者さんならご覧になったことがあるサイトなのではないでしょうか。

白色皮膚の記述のあったページは「掻くなというな」という内容が掛かれてあり、非常に共感を覚えました。

私自身の経験でも
「掻くこと」と「皮膚の改善」は同時進行できることであり、

「掻くから治らない」というのは間違いだと思っております。

「掻いても治るときは治る」というのは私の半ば確信です。

ただしこれは「掻けば治る」という意味ではありませんし
まして「掻けば掻くほどいい」わけでもありません。

掻かなくてすむなら掻かないほうがいいと私も思います。

が、
掻かなくてすむならアトピー患者の辛さは半減どころかそれ以下になるのではないでしょうか。

掻かずにいられないのが実状であり、
そこで「掻くな」「掻くと治らない」「掻くと悪くなる」といわれると
掻くこと=悪いこと
という図式が頭の中に固定してしまい、書くたびに
「悪いことをしている」というストレスがたまり、
これが更に症状を悪化させるのではないかと思っております。

中医学では精神状態が如何に体に影響を及ぼすかということが
2000年近く前の書物にも記載されているほどで、
実際私も昨年はストレスにより(他にこれといった誘因はありませんでした)久しぶりに重度の発症となりました。

しかも治療家としてそのような症状があることを恥じ、それが更にストレスを生みました。

それでも「アトピーの患者さんの助けになること」が夢で中国にまで行き勉強したという自分の初心を糧に毎日自分に鍼治療をし、結果として症状を改善することができました。

現在当院には何人かアトピー性皮膚炎の患者さんがいらしています。
皆さん幼少期からの症状でなかなか一筋縄ではいかないのが実状です。
けれでも、少しずつ少しずつ確実に改善されています。
それが鍼治療の効果なのか
それとも本人が「治りたい」と前向きに頑張っているからなのか、
正直私にもわかりません。

「それでは治療と言えないだろう」
というお叱りをうけるかもしれません。

けれども私の目標は
アトピー治療の論文を書くことではなく、
アトピー治療のHOW TO本を書くことでもなく
まして有名な治療家になることでもなく

アトピー性皮膚炎の患者さんの助けになることなので
結果としてよくなってきていることは
大いに喜ぶべきことであります。

なんだかきれいごとのようですが、
実際自分の治療の動機、現状、目標を突き詰めると
「結果オーライ」的なところに行き着きます。

だからといって、私の治療がでたらめなものだとは
もちろん自分でも思っておりません。

ただ、人という動物が知りえることなど自然界の本の一握りのことだと思っておりますので、
実際にはどうだったかなんて、「言えません」というのが本音です。

それでもその一握りの知識をもとに
少なくとも2000年近くに渡って用いられてきた
中国の伝統医学を
私はもっと勉強して
そこにある「何か自然界の法則らしきもの」をもとに
今後も治療を続けて生きたいと
改めて思う次第であります。
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