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季節とアトピー

ここ最近「アトピー」で検索をしてうちのホームページを閲覧する方が増えているようです。

アトピーの患者さんのお話を伺っていると
症状が悪化する季節というのは人それぞれで
・寒いとき
・暑いとき
・季節の変わり目
と様々なのですが、

治療院で治療をしていると
どの患者さんも
程度の差こそあれ

「かまどの火」が弱いのかなあ
と感じることが多いです。


中国医学を簡単に示す一つのモデルとして
「かまど」を例に説明することがあります。

外から取り入れた食べ物と水分をぐつぐつと煮る鍋
その鍋から栄養を含んだ蒸気が舞い立ち、全身にいきわたる
そして鍋を煮るための「かまどの火」

強すぎれば鍋はこげてしまうし、
弱すぎてはうまく煮えない。

かまどの火が弱いと、鍋は入ってきた食べ物をどろどろにして蒸気にすることができません。
結果いつまでも鍋の中にたまってしまい、
そこに新しい食べ物や水分が入ってくると
当然あふれ出してしまいます。

人体においてはこのあふれ出したものがいろいろと悪さをするわけです。

じゅくじゅくしたアトピー性皮膚炎はまさにこの
体内で循環できずにあふれだしたものという感じですね。

そして長い期間
鍋の中身がうまく煮えずにいると
栄養を含んだ蒸気が全身にいきわたらず、

皮膚も栄養不足になってきます。
かさかさ、がさがさの肌になるというわけです。

もちろんこれはひとつの角度から見たモデルに過ぎないわけで、
実際にはもっと複雑なのですが、

中医学というのは「ミクロの医学」ともいえる西洋医学の
対極にある「マクロの医学」、すなわち

遠くから俯瞰するように人体を捉えることが
特徴のひとつなので、

おおざっぱに全体を捉えることが
非常に重要だったりもします。

アトピー性皮膚炎の患者さんはおおざっぱにいうと
「かまどの火が弱い」傾向があるのではないか

というわけです。

かまどの火が弱いということは
鍋が冷めてしまいやすい冬には
余計にぐつぐつ煮ることができません。

普段手足が冷たかったり、おなかを下しやすかったり、
便が軟らかかったりといった冷えの症状もあるかもしれません。

そんなことないよ!
僕アトピーだけど、
熱がりだし、冷たいもの好きだし、やたら喉乾くし、あっためると悪化するし!
という方もいらっしゃるかもしれません、

これはもしかしたら、ちょっとの差で蒸気になれない
かなり高温の鍋の中身のしわざかもしれません。

ご存知の通り蒸気というのは
蒸発する際に
熱を奪っていきます。

蒸発できないほうが鍋に熱がこもりやすく
どちらかというと「熱」に分類されるような
症状がでやすいと言えるかもしれません。


中医学では症状を大雑把に「熱」と「寒」に分けることがあります。
かまどの火がたりないと「寒」の症状がでますし、
かまどの火が十分でも外が寒すぎるとやはり「寒」の症状がでます。

反対にかまどの火が強すぎると「熱」の症状がでますし、
ちょっとだけ足りないような場合でも前述のように「熱」の症状はでます。
当然外が暑すぎても「熱」の症状がでることが多いです。

このほかにも「湿」とか「燥」とか「風」とかいろいろな要素が絡んでくるのですが、

一番わかりやすいのはやはり「寒」「熱」ですね。
単純なモデルほどわかりやすい。

寒い季節になると症状が悪化する。
これも「寒」の症状のひとつなのです。

人間を含む自然界は非常に複雑だけれども、見る角度によっては非常にシンプル
もちろん人間の認識能力によるものといわれればそれまでですが。


でもこういった話、
現代科学の見地からすれば「なんじゃそりゃ」
で終わりなんですよね~(泣)。










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ホルモンヌ

ちょっと前にテレビで「ホルモンヌ」という言葉を聞きました。
美容に良いとされるコラーゲンが豊富だといわれている
ホルモン焼きを頻繁に食する女性を指して言うんだそうで。

ホルモンヌの「ヌ」とはパリジェンヌの「ヌ」なのか?
宝ジェンヌの「ヌ」なのか?
なんて変なところでひっかかってしまいました。


コラーゲンで思いついたのは

「阿膠」という漢方薬

ロバの皮を煮出してつくる「にかわ」なんですが、
婦人疾患によく用いられる薬です。

2500年前の書物にもこの「阿膠」という薬の記述があるそうで、
大分昔から使われていたようです。

かの楊貴妃が美容のためにこっそり飲んでいたとか
西太后が不妊治療に用いて、子を授かったとか
いう記述も実際に残っているんだそうです。

ただし昔は相当貴重な薬だったそうで、
一般人には手が届かないものだったとか。

楊貴妃という人は約1300年ほど前の唐の時代の人なので
そのくらい昔にも既に「コラーゲン」という物質名はなくとも
その効果は知られていたんですねぇ~。



薬との併用

アトピー性皮膚炎の患者さんを治療していて、

今までは、飲み薬なり塗り薬なりを使用している方は、
使用していない方に比べて、アップダウンが激しく、
急によくなったかと思えば、突然悪化したり
治癒方向へ向かうのに時間がかかるという場合が多いように感じおりました。

ただ、ステロイド剤の急な使用停止はリバウンドの可能性があり、
また、痒みや外見的なものから普段の生活に支障をきたし、
それによりストレスが増加し症状が更に悪化という可能性もあるので、なかなか
「薬をやめてください」とも言えません。

そして、私にとって一番困ったことは、
症状が改善したときに、それが鍼治療によるものなのか、薬によるものなのか、
はっきり断言できるほど区別がつけられないことでした。

もちろん、
この人は薬を使っていないと言っているけれど、
この肌の感じは使っているなとか、

急に良くなったり悪くなったりすれば
あ、この前よくなったのは薬の効果だったのだな、とか、
回復後の肌の感じから、薬の効果だな、となんとなくわかったり
することもあるのですが、

徐々に徐々によくなっていく
鍼の効果による改善のように見られる場合でも、

患者さんが薬を併用している方の場合、治療をする側として
本当に鍼治療の効果によるものなのか、
自信がいまいちもてないところもありました。

そんな訳で最近いらしたある患者さんから
治療後の症状悪化により、やむをえず薬を併用したと伺った際も、
どのように対処したらよいかと正直迷っていたところでした。

そんなある日、やはり以前薬を併用していたある患者さんから
「最初のころは逆に悪化していく感じだったが、
3週間目くらいから、体質が改善していく感じがした。
肌の感触が違ってきた。あれは薬の効果とは別のものだったと思う。」

との話を伺い、

薬との併用も十分可能なのでは
と思い始めてきました。

鍼治療と薬物治療を併用しながら、
徐々に薬を減らしていくということは
十分可能なのではないかと。



いままでにみている患者さんの絶対数が百人単位というわけではないので
薬との併用が本当に可能なのかどうか
まだまだ確信できるところには達しておりませんが、

少しだけ自信をもってもよいのではと思えるようになりました。


ただ、薬を併用している、あるいは停止して間がない患者さんをみていて
感じることは、

薬を使っていない、あるいは使用を停止してかなり経っている
という方に比べて、

鍼灸治療をはじめたばかりのころの症状悪化が顕著であることが
多いということです。

これも断言はできることではありませんが、
今のところそういった印象があります。

ですので、そこで鍼治療をあきらめてしまう方がいらっしゃるのも事実です。

それが薬によって抑えられている何かを排出しているからなのか、
慣れない鍼治療によって疲れ或いはストレスがでたためなのか、


それは正直わかりません。

ただ、あきらめずにがんばって通院してくださる患者さん達のお陰で、
鍼治療は時間はかかるかもしれないけれども、確実に有効であるという
自信がそれこそ、治療効果と同じくらいゆっくりとですが、
蓄積されてきているのは確かです。

私自身更に研鑽を積んで、
より効果的に治療ができるように
精進していきたいと思います。

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